◆男天女◆
神州は穏やかに春の海、その海へなだれ込むような満天の星、星、星。 一体どこからが海なのか空なのか。 ひときわ輝く流れ星ひとつ。 いや、あれは地上に降りんとする天人のようだ。 天人は天界より使命を受け黄泉へ下り、見事使命を果たして地上に上った。 天界に戻るに黄泉の穢れを海の塩にて清めるためである。 天人は美しき鎧と羽衣は松の下に脱ぎ捨て、夜の白浜を海へと歩む。
そこへ宴の帰りかほろ酔いながら鼻歌に千鳥足の男様。 「おや、海に何かが光っている。ははっ、これは大きな夜光虫ぞ」 松の下で何か硬い物につまづけば、「あら、鎧」と尻もちをつく。 ぱっと辺りが昼のように明るくなった。 眩しい目をこらえていると人らしきものが自分を見下ろしているではないか。 たいそう驚き男様はつぶやく 「そなた天女か?いやこの世にはない豪華な鎧を見ると男天女なる者か」
天界では姿形の実体はなく性別もない 男とは雄々しきこと、女とは麗しきこと 天主が創られた天人の中でも傑作というのが武器と美貌の男天女である
さてこの後男天女と男様はどうなりますやら。 ◆ と、まあこんなわけなんですが男天女と言っても両性具有ではありません。 この『男天女』というエロっぽい言葉を温めていたところ、 Gattoの猫町銘菓様がお話を書いてくださり、これを原作にコミック化を予定しています。 原作はGatto様のnovels『男天女の褌』
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