◆終焉まで◆

 

自分が自分でなくなり、体の中の一部分だけでで生きているような錯覚。

皮膚を摩擦する異物の奥にはもうその違和感はないが焼け付く快感の座を狂おしく征服しようとする。

征服は頼忠の飢餓を満たすがただそれだけの満足感しかない。いつもそうだ。

 

 

自分を抑えることを常とし無表情に忠実に務めに従事する頼忠。

しかし隠しきれず匂うように溢れる艶に誘われる男たちはその秘部の座を征服することに夢中になる。

やっと思いを遂げ征服したつもりが虜になり、その後は己の体に残った感触に苦しむのだった。

頼忠は二度とこの体に触れさせはしまいと思いながら体の中では快感の座が獣に変えていく。

そして男が容赦なく侵入し熟れた果実を貪るともっと甘くて美味しい実を付けて奥へ奥へと誘い込む。

自分には魔物が棲んでいると頼忠は思う。

その魔物は過去に罪を犯させ、償いをする頼忠を穢すように快楽の罪を被せる。

あのような媚態の後で何事もなかったように振舞う自分こそ魔物なのかもしれないとも。

 

 

激しい突き上げに頼忠は声を上げた。快感以上のものがあるとしたらそれを何と言えばいい。

後ろから抱く男に身を任せ、共に頂点へ登りつめようと応えるように腰が動く。

違うのは溺れているのではなく繋がっていることの悦びがある。

頼忠にそう思わせてしまう男、それがこの翡翠なのだ。自分の過去や立場に一切関係のない海賊翡翠。

その罪や自分にまとわりつく魔物まで包み、安堵したいと思わせる翡翠。

抱かれてもいいと心ならずも思ってしまい、一人で恥ずかしさに苦笑したのはだいぶ前だった。

 

「頼忠、もう君を悦ばせるのは限界-----だよ」

「私-----もだ、翡-----翠」

「では、い-----いね」

 

翡翠の腕が頼忠を強く抱くと、頼忠はその圧力と迫り狂う絶頂に泣き叫ぶかの如く声を吐いた。

達成感に力尽き床に崩れる二人。そして頼忠を労わる翡翠。

 

だが真の達成までは遠い、翡翠と共に人生を達成するまで繋がっていたいと頼忠は深い虚脱の中で思った。

 

 

視覚的には頼忠を後ろ攻めするのが好きなのでどうしても似た様な構図になってしまいましたね。

とりあえず描いてみたいと思っていたのでこれからはいろいろ工夫(体位か?)をしていきたいです。

しかし難しいのは翡翠が少し大きめの頼忠を抱くこと。

翡翠が潰されてないよう、そして器(蕾ではありません)の大きさ出さなきゃならない。

気持ちよく暴れてしまう頼忠を支える翡翠にアッパレです。